NT感想(30話)

第30話「嵐が連れてきた者」感想。
勿論ネタバレ有り。




扉絵は純恋子と真夜。
描写としては薄いけど、やっぱり片手で持ち上げられる程度には純恋子さんは軽いのかな。
でも相手は真夜ちゃんなんだよなあ……
いやしかし、それでもこれ片手で持ち上げられてるよな……
……おおよそ「重いとしても他の人より少し重い」くらいかな。



・「はーるー 帰りにアイス寄ってかない?」
ここの鳰可愛いなあ。
アニメ版とは台詞がちょっと違ってて、アニメ版ではここで兎角さんに

「もしかしたらこの台風は兎角さんにやられた人の恨み辛みの涙雨かも」
「呪いや怨霊は気づいていないだけで本当にある」

等ほのめかしていたんだけどこれはナシに。

アニメ版では11話の前に葛葉や呪術についてほのめかしておかないといけないから、ここでこの会話を突っ込んだ可能性があるけど、漫画はそういう制約ないからなあ。
既に香子回で鳰がオカルト(七不思議)を紹介するってちょっとした伏線はあるし、確かそれに+東と葛葉の話で『鳰が葛葉の人間では?』って予測出来てた人はアニメ放映中でも居たんだよな。

・「もうすぐ日が暮れる ……」
台風が来る、って事は大体時系列は夏の終わり頃~秋だよね?
それでこの台詞ってことは、兎角さん達は授業終わって直ぐには寮へ帰ってなかったのかな。
時間割とか色々あれど9月~10月の日没はおよそ17~18時なので……自分が高校生の時は1年からこの時間までびっしり授業やってなかった気がする。
その上台風来てるし(普通は早く帰すんじゃないか的な意味で)

・「あらァ? もう受け取ってるでしょ?」
特に変更はないけど伊介様の観察眼が光る台詞だと思ったのでピックアップ。
アニメ版だと「この予告票伊介様のか!」と驚いててスルーしてたけど、彼女この予告票を折りたたみ傘に仕込んでたんだよね。
この天気だとまず使うだろうし、実際晴は寮に来る途中折りたたみ傘を使用している。
計算の上でちゃんと仕込んでたんだとしたら彼女観察眼あるよなあ。
予告票を見たか聞かずとも分かる(道中で晴が傘を使用してたらほぼ見たはず)という所まで計算の内なら本当に凄いよ。

・「伊介笑っちゃう…!」
アニメ版と漫画版ではこの前のやりとりが微妙に異なる。
アニメ版では晴を庇ったのち兎角VS伊介になり、その間に兎角が負傷してから泥を投げるという展開だったので『今の兎角さんでは伊介様に歯がたたない』という印象があったけど、漫画では晴を庇った際に負傷(兎角はナイフを抜いてすらいない)になっている。
あくまで緊急時に晴を庇った分、自分が負傷してしまったという感じ。
その代わり、この後に手合わせをしなくても兎角が人を殺せない事に(伊介が)確信を持つ場面で「バッカじゃないの こんなことするよりヤっちゃった方が早いのに?」と補足が入っている。


全体的にアニメをなぞった感じではある。だから言及も少なめ。
けどアクションシーンやその間の兎角さんの周りに水滴や霧が舞うコマなど、画面が華やかで個人的に結構好き。
……というか先日漫画を見直していた際1巻の奥付で「原作:高河ゆん」のみだったのが2巻2刷と3巻1刷では加えて「原作協力:吉村清子/横谷昌宏/藤崎あゆな」と書かれているのを発見したので、ベースはアニメ版とこれからもあまり変わらないんじゃないかなあと思い始めたり……あくまでベース、ね。
金星祭編なんかは多分漫画の方が本来描きたかった事(正義と愛の対立とか)で、大幅にそれをカットした結果がアニメ版だと思われる。
次回はどこまで描かれるんだろうか。



あと小ネタ
・金星寮でミョウジョウ学園で作品名が悪魔のリドルってことは多分ルシファー関係あるよね
・だとしたら正義や悪の対立、二面性がテーマとしてあるのは頷ける
・これは「自分の想いは偽物の愛かもしれない」「立場は光と影で対立」といった兎晴にも当てはまるが、二人は初日の真っ赤な夕焼けを背景としての、兎角の

「今日、始まった。私と晴の、全てが。(アニメ版)」
「(中略)全てが始まるなんて私はまだ知らなかった(漫画版)」

という台詞に象徴されるように、関係が進展するのは大体夕方や放課後。
ルシファーの象徴とされるのは明けの明星。宵ではない。

なので、二人の愛は真偽の判断が難しい(プライマー等)ように見えるが
やはり本物(ルシファー、つまり堕天使・悪・偽の愛ではない)なのでは?
あと、だから二人は作中最後まで暗殺処女同士(ひなたの世界の住人)のままなのかも(→影の住人へと墜ちない)

そういう意味では、ちたひつは柩ちゃんが「千足さんは光の人で僕と貴方(晴)は影」とか言ってたけど
実際は二人とも真っ黒で日陰者なんだよね。


2015/03/05 up