NT感想(32話)

第32話「誰もいない世界」の感想。




今回もおおまかな流れは9話~10話と変わらず。
内容は番場VS晴の家庭科室~トイレのやりとりまで。
アニメはこの話を2話かけてやれてたので、本来伝えたかったことはアニメで十分伝えられてたのかもしれない。
→だからあまり追加シーンがない?
伊介・番場編に見せかけて、ここらへんの話は実質兎角覚醒編・晴の兎角への気持ちの大きさ再認識編も兼ねてるようなものなので
心なしかけっこう丁寧に漫画化してもらえている印象。
ただしそれは現時点での話なので、今後涼編のような急な巻き展開や増ページが来て、予想に反して早く終わる可能性もある。


話は元に戻って、今月号の話。
全体的に晴の「生きなきゃ」という心情がアニメよりも強調されて描かれている。
最後の真夜の鼻が潰れる所とか……よく考えるとこれ、晴ちゃんは手加減出来ないくらい切羽詰まってたとか
だから手加減せず真夜に思いっきり扉をぶつけたってことだよなあ。 現時点でこれだから、やはりVS純恋子戦になったら手加減なんて全く出来なさそう。
というか相手が相手だから下手な手加減をすると晴ちゃんが死ぬ。

・「誰も 来ない 見てない 誰もいないんだ!」
叫んでも泣いても呼んでも、誰も来ないし誰も見てない。
これは自分の回想と重ねながらのセリフだから、番場が監禁されてた時はこのセリフ通りのことが起こってたってことだよね、恐らく。
「誰も来ない」「誰も見てない」から救援も見込めなくて、自分で何とかしなきゃいけなかったってことかなあ。

・「オレがやるしかねぇ オレしか真昼を救うことはできねぇ」
真昼を救えるのは真夜だけ。
百合スキー的には、つまり純恋子さんにも真昼は救えないのかも、という所に注目したい。

救う救わない、誰それのおかげで変われる変われないっていう関係性はカプ厨にとって美味しい関係ではありますが
一方でそんな影響に惑わされないある種"対等"な関係というのも捨てがたいよなあ。ほどよくお互いつき合えるような、そんな関係。
そういう意味では新しい純恋子・真昼・真夜の関係が提示されたとも感じる。
純恋子さんは真昼ちゃんに対して世話焼いたり面倒見たりしてるらしいけど、そんな彼女でもこの問題については触れられない、と。

おどおどしてる真昼ちゃんとガンガン攻める純恋子さんの組み合わせって、
ちょっと間違えると純恋子さんが攻めまくるあまりに真昼ちゃんの意思が無視されたりしているように思われることもあるけど
意外にパワーバランスはそんな傾いてないんだろうなあ。
……というか、通常の恋愛でも救う救わないっていう信徒と教祖みたいな関係性はあまりないよね。これある意味すみまひあるよフラグじゃね?
妄言は置いておいても、この問題は彼女自身が解決しなきゃいけないってことでしょうね。

・「いって――」
真夜に消火器を使って応戦する晴ちゃん。でも家庭科室から立ち去るコマでは涙目。
恐怖と兎角さんの安否への不安が彼女をここまで動揺させている……と考えるとやっぱり晴ちゃん、この時点でかなり兎角さんのこと大事に思ってるよなあ。
気が早いけど、今でこれなら後々の伊介様との応対ってどのくらい悲壮な感じに描写されちゃうんだろうか。
アニメでは動けなくなるくらい動揺してたけど、そこまで晴の精神状況がマイナスに持ってかれる状況は、冷静に考えなくてもやばい。



ページ数が12pということもあって感想は短め。
でも漫画ならではのモノローグを使ったVS真夜戦は結構良かったと思う。
誰も来ないを連呼してプレッシャーを与える真夜と、それに影響されてちょっとくじけ気味になる晴の描写が心理戦っぽくて良い。
アニメのように派手なアクションを漫画に求めるのは厳しいけど、漫画は漫画でキャラの心理を見せやすいっていう別の良さがあると思うから
このモノローグマシマシ路線で頑張っていって欲しいなあ。



2015/04/23 up